ブライアン・イーノのインスタレーション展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」
タッセルホテル三条白川の乾です。
京都で現在開催中のブライアン・イーノのインスタレーション展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」の内覧会に伺いました。
会場の 京都中央信用金庫 旧厚生センターは京都駅からほど近く、築約90年のとても歴史ある建築物です。
個人的にはブライアン・イーノはロキシーミュージックの初期メンバーというイメージが先にでてくるのですが、一般的にはアンビエントミュージックの創始者、デヴィッド・ボウイやU2など様々なアーティストのプロデューサーとして高く評価され知られているかと思います。
そして、なんとWindows95の起動音を作曲した方でもあります。
この音は彼の名前をご存じない人でも、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
さらに音楽シーンだけに留まらず、ヴィジュアルアートにも革命をもたらしたと言われている非凡な才能を持った彼の「音と光のインスタレーション展」ということで個人的にもとても興味があり、開催前から楽しみにしておりました。
会場ではそれぞれの部屋毎にテーマがあるのですが、館内を通してそれをシームレスに繋げる空間芸術として展開されています。
イーノのアンビエントミュージックに包まれながら「別の世界に身をゆだねる」体験型の展覧会ということです。
最初に訪れたのは1階会場の「77 Million Paintings」
心地よい彼の音楽が流れる中、7700万通りの組み合わせが途絶えることのなく変化し、同じパターンは二度と見ることができない一期一会のヴィジュアルアート。
厳かな空気を感じながら、心地の良いソファに埋もれ、日々の喧騒を忘れてしまいそうになります。
「Light Boxes」はLED技術を駆使した光の作品ということで、入室した瞬間に鮮やかな色彩に目が奪われます。
このビビッドな色の組み合わせが光りながら変化していく様子を眺めていると感覚が麻痺したような不思議な感じを覚えました。
そして何より今回印象的だったのは世界初公開とされている「Face to Face」実在する21人の顔写真がピクセル単位で、毎秒30人ずつ36000人以上の新しい顔へゆっくりと変化していきます。
一瞬として同じ顔は存在しないということなのですが、まさに自分の目を疑う...という言葉が出てきそうなヴィジュアルアートだと思いました。環境問題にも取り組んでいるというブライアン・イーノの「絶えず変化する」というインスタレーションのコンセプト。
アートに触れながらも改めて日々変わりゆく世の中を考えさせられる展覧会でもありました。
「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」
会場:京都中央信用金庫 旧厚生センター
会期:2022年6月3日(金)~8月21日(日)
開館時間:11:00~21:00